患者さんに一生涯にわたり、自分の歯で健康な生活を送っていただくようお手伝いをします。

予防歯科とは

歯を失う原因で特に多いのはむし歯歯周病です。これらの病気は、細菌感染によって起こることがわかっているため、予防することが可能です。

しかし、日本では未だにむし歯や歯周病で歯をなくす方が多く、平均すると80歳の時点でわずか8本程度しか歯が残っていないのが現状です。

一方、欧米では「予防歯科」の意識が高く、歯の定期検診が一般的に行われているため、80歳を超えても平均20本以上の歯が残っています。
予防歯科とは日々のお手入れと定期的なメンテナンスのことであり、これを継続すれば80歳で20本の歯を残すことも可能です。

むし歯になる前に定期的にメンテナンスを行うことで歯の様々な疾患を予防することができます。
さらに近年、むし歯や歯周病が内臓疾患にも影響することがわかってきました。歯だけでなく、全身の健康のためにも大切であることがわかり、予防歯科の考えが広まっています。

歯みがき

歯周病予防

歯周病は、程度の差はありますが、成人の8割が罹っているといわれるほどの国民病で、生活習慣病の一つとして捉えられています。
歯周病を進行させないようにするには早期発見、早期治療が一番重要です。
定期健診を行なうことで、歯や歯茎の状態を確認し、予防のためのケアをしていきます。

PMTCでむし歯・歯周病予防

日常の歯磨きでは磨き残しのある部分や歯ブラシで取れないプラークなどを、当院で専用器具とフッ素入りペーストを用いてクリーニングします。
むし歯予防・歯周病予防のほか、口臭予防にも非常に大きな効果があります。

バイオフィルム

お口の中にあるまざまな細菌は複雑に絡み合って共同体を形成し、むし歯や歯周病を引き起こします。しかもこの共同体はネバネバとした粘液状の鎧のようなもので守られ、ブラッシングの力だけでは除去することができません。
この鎧に守られた細菌共同体を「バイオフィルム」と呼びます。

おもに歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、詰め物やかぶせ物の境目などに付着するプラーク(歯垢)はブラッシングをしても残っている場合があります。それをえさにして細菌は繁殖し、バイオフィルムを形成していくのです。

鎧に守られたバイオフィルムは強固ですが、PMTCという方法で除去することが可能です。
PMTCとは、(Professional Mechanical Tooth Cleaning) のことです。
Professional 専門家が行う
Mechanical 機械的な
Tooth 歯の
Cleaning 清掃という意味があります。

さまざまな専用器具やペーストを用いて、積極的に除去する技術です。トレーニングを積んだ歯科医師や歯科衛生士が行ないます。

PMTCの手順

  1. 歯石、プラークの除去
  2. 研磨用ペーストの塗布
  3. 隣接面の清掃、研磨(ラバーカップ・チップ・ブラシなど)
  4. トリートメント
  5. フッ素塗布

PMTCは定期的に

PMTCはあくまでも予防処置です。
患者さんの口腔内の状態に応じて1か月~3か月ごとに定期的に行ないます。
歯ブラシの行き届かない部分も含めたバイオフィルムを破壊除去することが目的です。
PMTCは痛みを感じることはまったくなく、むしろお口の中が気持ちがよくなります。
PMTCを一度だけ受けて、その後中断してしまう方や間隔が空いてしまう方がたまにおられますが、このメンテナンスを持続することにより、むし歯の再発や、歯ぐきの腫れ、口臭や痛みなどから解放されます。